年少時は前年度から引き続き、民間の療育施設にお世話になりました。ちょうどコロナウイルス感染症が流行し始めた頃で、小中高校では3月に引き続き4月、5月と休校となり、商業施設も休業するなど、社会全体に大きな影響が出た年です。
きこの通う療育施設は時間短縮となりましたが、毎日開所してくださり、本当にありがたかったです。
できごと
コロナ流行
コロナ流行で、休校、在宅勤務、療育時間短縮…。家族で過ごす時間が増えました。テラスでご飯を食べたり、早めの夕食にして、夜のお散歩に出かけたり…。私にも時間ができ、療育系の本を読んだり、研修を受けたり勉強の時間もとることができました。
余談ですが、マスク生活になり、相手の口元を見る機会が激減したことは、言葉や社会的な能力を培う大事な時期に大きな影響を与えたような気もしています。(仕方のないことなのですが…)
PECSを使いはじめた
コロナ禍で外出機会が減ったこともあり、この機会にと、以前から病院で紹介されていた、PECSの研修を受けることにしました。フェーズIの研修を5月にオンラインで受講。その後、病院で使い方のフォローをしていただき、6月頃から日常でPECSを使うようになりました。
PECSの流れとしては…
- フェーズI・IIで、「カードを渡せば、もらえる」ことを理解しました。
- フェーズⅢで複数のカードから、自分の欲しいもののカードを選んで渡すことを学びました。
- そして、フェーズⅣ。欲しいもののカード+「ください」カードを文カード(黄色)に貼り付けて、人に渡して伝えます。
きこはフェーズⅣまで、順調に進み、上手に要求できるようになりました。初めてPECSを使った時は、きこの思いがわかって、心底感動しました!本当に嬉しかった!!
カード作りは地味に大変なのですが、きこの思いを知りたくて、あれもこれもとどんどんカードが増えました。
本人も意思が伝わり、要求が叶えられることが嬉しいのか、1日の中でもかなりの回数PECSでのやりとりをしました。
この頃に学んでから、今までフェーズⅣをゆるくながく続けている感じです。今では、毎日使うわけではないのですが、きこなりにどうしても伝えたいときには自らPECSを使って要求してきます(笑)
フェーズⅤへは、これからチャレンジしようと思っています。
OTリハを受けはじめた。
近くの総合病院に小児のリハビリセンターができたことを知り、即予約。理学(PT)、作業(OT)、言語(ST)のリハビリを受けることができますが、きこにはOT、STを受けさせたいと思い、6月に受診しました。
まずは、Drの診察から。診察では、今までの生育歴を聞かれたり、きこの様子を見てもらったりしました。その中で、6つのイラストが描かれた用紙を、Drがきこに見せて、「バナナはどれ?」「くつはどれ?」と問いかける場面がありました。Drの問いかけに、きこはスルー。指差しで答えることが全くできませんでした。家では、マグネットをつかって、答えることはできているので、バナナやくつを理解していたと思います。ただ、「指差し」という言葉の意味がわからず、「指差しをする」「指差しで答える」ということができなかったのだと思います。指差しができることが、STを始める1つの目安だそうで、今回STは見送りに。OTリハを月2回のペースで受けさせてもらえることになりました。
OTのリハビリは、ブランコや、平均台などがある大きなお部屋で体大きくつかって動かす動作の訓練と、OTの先生と机を挟んで対面に座り、机上で手先の作業を行う訓練の2パターンがありました。1回40分ほどのリハビリの時間に、前半後半で分けてどちらも行う形でした。当初から、机上でモノを扱う動作は比較的スムーズに集中して行えました。型はめ、スプーン、紐通しなどの細かい作業も根気よくやってびっくり!一方、大きなお部屋ではOTの先生の声が全く入らず、次々と自分の興味が向く方へ走っていってしまい、訓練になりませんでした。なんとか先生の話を聞かせようと、私も頑張るのですが、見向きもせず、ただただ自由に走り回り…。付き添う私はぐったり。毎回、体も心も疲れはてて帰宅していたのを思い出します。
きこの様子&変化
良い変化
いつもの指示ならなんとなく通じるようになり、お手伝いが少しできるようになりました。たとえば、箸くばり、ご飯運ぶ、ゴミ捨て、ドアをしめる、電気を消す…などですね。
気になったこと
バンバン机を叩いたり、足をバタバタしたり、持っているものを投げたりして、「嫌」を示すようになりました。 「い〜っ!!」「ぎゃ〜!!」など大声も。例えば、「トイレ行くよ〜!」「手洗うよ〜」など、少しのことで怒るように。
足裏の刺激が欲しいのか、外に行くと、靴を脱ぎたがるようになりました。家の駐車場では、裸足になって特定のコースを行ったり来たり、パタパタと走っていました。公園でも裸足に。特に芝生の上は必ずでした。ドンドンと強い足踏みをしたり、ソファーの上から飛び降りたりすることもありました。
気に入ったものは、リュックの中に入れて持ち歩き、布団の中に隠すという謎の行動(笑)←今でもたまにあります。
耳塞ぎが再発。療育施設でも、近くにお友達がたくさん集まったりすると耳塞ぎがあるようでした。家でも、ドライヤーの時に耳を塞ぐように。聴覚が過敏になっていたかもしれません。
脱ぎ癖があり困りました…。特に布団。夜寝る時に、布団に入ると、スボンとパンツを脱いでお尻まる出しで眠りました。それは、かなり強い欲求で、睡眠の途中で履かせても、寝ぼけながら脱ぎました。布団の感触が気持ちいいのか、なんなのか…。さらに服が濡れると、不快なようで外でも急に脱ぎ出すことがあり困りました。
遊び
スマホを触りたがるようになり、私がスマホを見ていると、すかさず、「ちょー!」。上手に操作しました。アンパンマンゲームなどのアプリを開いたり、写真やビデオを見たり…。YouTubeもすぐに覚えてしまいました…
おままごとで、コップにチーズのおもちゃを入れて、コーヒーを作り、ママやパパに持ってきてくれました。ママが、「にがっ!べーっと」渋い顔をすると大喜び(笑)
アンパンマン大図鑑を持ってきて、キャラクターを指差す(これ読んで)ことがよくありました。そのキャラクターの名前を読んでやると大喜びでした!
パズルブームの再来。アナ雪の60ピースやミッキーの80ピースのパズルも1人で楽々できるようになりました!
けんけんぱを喜んでやりました。片足飛び(けんけん)ができるようにもなりました。
まだまだ1人遊びが多く…。療育施設では、シャボン玉、お絵かき、トランポリン、滑り台、木製レール…1人で遊んでいるところに、お友達が多く関わるとその場を去る…という行動でした。
ことば
もうすぐ4歳になるのに、なかなか言葉が出す、コミュニケーションやりとりがまだまだ。なかなか言葉が出ないことに焦りを感じていました。
この時期に増えた言葉あまりありません。最後まではっきり言える言葉も、相変わらずほぼなかったです。
この時期のきこの言葉は…
・ママ⭕️、自分のことを「ここ」(きこ)と言うようになった。
・コーヒー→「がっ」 音の繰り返し「コロコロ」など。
・要求も。唯一の2語文は、「ちゃちゃ、ちょー!」(お茶、ちょうだい)。「こ、ちょー(これ、ちょうだい)」冷蔵庫の前まで、ままを引っ張っていき、「シー(アイス)」「ちょー(ちょうだい)」
・パンパン(パン)、にゅーにゅ(牛乳)、バ(バナナ)、シー(ジュース)、シー(アイス)、いーいー(にぎにぎ=おにぎり)、ちゃんちゃん(お座り)、ねんね、くっく(くつ)、ち(うんち)など。
・たまに1音まねできるようになりました。たとえば、「こんにちは」→「わ」 まねできない言葉は全て「ふぁ〜」
身辺自立
年少の4月頃から、家でもパンツで過ごしました。引き続き、おまるを使用。ダッシュで自らおまるに座って用を足すようになりました。
外出先では引き続きオムツを使用していましたが、8月頃(4歳になる前)にはオムツ卒業。夜もパンツに。それ以降、現在まで、ほぼおねしょなしです!
食については、相変わらず食欲旺盛◎お菓子のパッケージを自分で開けることができるようになりました。
【来年度の進路選択】
6月頃から関係各所に相談。もうすこし広い世界へ一歩踏み出すために、保育園(加配枠)の申込を視野に動き始めました。きこの進路について、話を聞いてくださり、一緒に考えてくれる方が複数いることが本当にありがたかったです。
なかなか、腰が重く…というか、敷居が高く(こちらが勝手に思っているだけ)…動け出せませんでしたが、8月には保育園にも電話し、面談の予約も取りました。
医療機関でも相談。いつもの言語聴覚士の先生からは、また違った角度からアドバイスをいただきました。
それは、「市の療育センターはどうか」ということ。幼いうちは、手厚いところで、面倒をみてもらうことも一つだと。それまでは、今通っている、民間の療育施設or保育園の2択でしたが、そこに、「市の療育センター」が加わりました。当時の私は、民間でも、市の療育センターでも、「療育」を受けることには変わりないと思っていましたが、病院の先生の話によると『全然違う』とのこと。『組織が大きければ、職員の研修も多いし、より専門的な療育を受けることも期待できる。視覚支援もしっかりやってくれる。中度、重度判定の障害が重い子には向いている』と。
その後、相談員さんにも相談しました。相談員さんによると、『市の療育センターは、規模が違う。同世代のお友達の数が多くなるし、施設の広さも確保されている。体が大きくなると、ある程度の広さがあるところで、おもいっきり体を動かすことも大事。それから、親向けの研修が充実していて、親同士のつながりも深くなるよ』と。また、PECSなどの研修を受けている先生も多いということで、それは、魅力的だなと思いました。逆にデメリットとしては、療育時間が短いので、母親が仕事をするのが難しいとのことでした。
とりあえずは、見学に行ってみようと、市の療育センターにも見学の予約をとりました。
まずは動くこと!より我が子の成長につながる進路を選びたい。
【母の気持ち】
きこは、毎日にこにこ楽しそうに過ごしていましたが、年少になってからも、言葉がでる気配は全くありませんでした。本当に、成長はゆっくり。
いつか会話できる日がくるのだろうか…、きこと会話がしてみたいという気持ちが強くありました。そのために、「もう3歳。もうすぐ4歳になってしまう。早く早く、今やれることをもっともっとやらなきゃ」という焦りと不安がありました。
一方で、5月から始めたPECS。本当に感動でした。いままでは、こちらからの一方通行のコミュニケーションだったのが、絵カードを介して、きこが自分の思いを伝えてくれる!感動でした!うれしくて嬉しくて!きこが絵カードを持っていきてくれた時には、秒で対応していました(笑)
また、きこが年少の4月から、私(母)は時短勤務をさせてもらっていました。本当にありがたかったのですが、時短勤務も良し悪し。私の場合は、仕事もきこの療育もどちらも中途半端な状況がしんどくなってしまいました。きこの来年度からの進路選びに合わせて、私の進路も9月頃には決定。来年4月からは、一旦仕事をやめて、就学に向けて、きこの療育に力を入れようと決めました。
そして、きこ。年中となる次年度の進路をどうするか。就学までの大事な2年をどう過ごすか。進路選択をしなければなりません。ありがたいことに、多くの方が相談にのってくださり、助言をいただきました。ただ、皆それぞれ意見が違います。正解のない進路選択。選ぶのは親。きこのより良い成長のために、しっかり調べて、足を運んで、見て聞いて、考えて、次の進路を決めようと腹を括りました。
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