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この記事は、自閉症と重度の知的障害をもつ次女「きこ」(2016年生まれ)の成長記録です。
現在は小学1年生。発語がありませんが、地域の小学校(支援級)に通っています。
きこは、2歳を過ぎた頃、急に様子がおかしくなりました。
今までできていた「指差し」、「バイバイ」、名前を呼ばれた時の「はーい」の返事、それに言葉も…。
気づいたらそのほとんどが消失していました。
急な変化に家族はパニック!「発達 後退」「言葉が消える 2歳」など、ネット検索を繰り返し、辿りついたのが【折れ線型自閉症】という障害。
その後、2歳半で「自閉症」の診断を受けました。
診断を受けるまで、診断を受けてから現在までの成長について綴っていきます。
お付き合いいただければ幸いです。
発達がゆっくりな子が通う教室
保健センターで行われる「発達がゆっくりな子が通う教室」の第1回目は、ちょうどきこが2歳2ヶ月になった当日でした。
初回に提出する質問用紙には、1ヶ月前に事前に記入(黒)していましたが、参加する直前に記入し直す(緑)と、発達の部分のみ、この1ヶ月でガラリと変わってしまったことがわかりました。
「なんで…」とやりようのない思いが湧いてきます。
教室には、夫婦で参加しました。
他の子と比べてもやはり「違う」ことを感じました。
ただ当日はいつもと比べて調子がよく、笑顔もみられました。
つながっている感が全くないと感じるときもあれば、笑顔が見られて少しはつながっている感を感じられる瞬間もある。
浮き沈みをくりかえしている感じではありました。
さて、教室が終わり、本題の保健師との面談。
この1ヶ月での本人の変化を伝え、なるべく早く対応したいと切実に訴えました。
私たちの切羽詰まった思いが伝わったのか、その日の午後に専門のドクターによる発達相談があるとのことで、当日予約では難しいところをなんとか調整していただき、予約を入れてもらえました。
一度帰宅し、午後に出直し、ドクターの発達相談に臨みました。
ドクターによる発達相談
ドクターはベテランの女医さん。
いままでの経緯を伝え、本人の様子もみてもらうと、単刀直入に「自閉症の症状とみてよいでしょう」と告げられました。
頭では「やっぱり、そうだよな」という思い。
だけど、心の底ではかなりショックを受けていました。
かなり動揺しましたが、腹をくくり、これからどうしたらいいかを聞き逃さないように必死でメモをとりました。
*以下ドクターからの話です。
まずは、上記のように相談時のきこの様子をみた上で、「自閉症の症状」であると、はっきりと言われました。
その根拠として、『たとえば、人(白衣を着た医者)に興味を示さず、物(聴診器)のほうに興味を示したこと。本人の意識の中に人が入っていない。』
『飲んでいた紙パックのジュースの中身が終わってもずっと吸い続けている。定型発達の子どもなら、「なくなった」ことをなんらかの形で親に知らせる。』と。納得しました。
その上で、これから実際にやることは2つ。
1 医療機関を受診し診断を受けること
この発達相談は診察ではないので、診断はつけられないとのことで、発達を診てくれる病院をいくつか紹介されました。病院によって特色があったり、予約の空き状況が違ったりするので、どの医療機関がよいか調べて受診するようにと説明をうけました。
2 療育を受けること
自閉症に対して、治す薬はないけれど、対処療法的なものはある。それが「療育」。まずはこの地域の療育センターに保健師さんと一緒にいくことになりました。
その他、私たちの質問にも時間をかけてていねいに答えてくださいました。
・症状が治って、定型発達の子と同じ発達になることはないが、改善して「ちょっと変わった個性」くらいになる子はいるとのこと。
・折れ線型は予後が悪いとネットに書いてあったが、実際はどうかと質問すると、「確かにそう言われているが、統計上の話。それがこの子に当てはまるかはわからない。」と。そうだよね、先のことは誰にもわからないよな。それならできることをやっていこうと思いました。
・症状は良かったり悪かったりを繰り返すとのこと。きこも日によって調子がよかったり、反応が全くなかったりしていたので、そういうものかと納得しました。
・すぐにできることとしては、『1人で遊ぶのも楽しいけど、他者と一緒に遊ぶのも楽しい』ことを教えること。その時、きこは診察台をバンバンたたいて遊んでいました。ドクターがきこの近くに寄り同じようにバンバンとたたくと、きこが初めてドクターの顔を見ました。『まずは本人の遊びのマネをしてみましょう。マネをして、「私」以外の人がここにいるよと他者を意識させる関わりをしていきましょう。』と。なるほど、こういうことかと思いました。
発達相談を終えて
発達相談を終え、長女も連れてお寿司屋さんに外食へ。
そこで急に張り詰めていたものが、プチッと切れて私、涙腺崩壊。
連日の寝不足もあり、脳みそが飽和状態で思考がまとまりません。
自分がどんな感情なのかもよくわかりませんでした。
とにかく涙がとまらない。
泣きながら「自閉症」「折れ線型」「予後が悪い」それらのワードが頭のなかをぐるぐるまわりました。
これから、どうなっちゃうんだろう?きこも、私たち家族も。
そんなことを考えながら泣き崩れていると、私の方を見て、きこがにこにこ笑っていました。
きこが笑ってくれていることが嬉しくて、力が抜けて私も笑えてきました。
その日の夜は倒れるように横になりました。
体力的に限界…。
その中で、きこは1人運動会。
「きゃーきゃー」「ぶーぶー」騒いで、私の上に乗っかってきたり、髪の毛をひっぱったり…。
朦朧とした意識の中「明日耳栓買おうかな」と思いました。
明日から再スタートだ。とにかく今日は寝て、頭をクリアにしよう…。
診断ではないものの、このタイミングで医師から「自閉症」であることをはっきりと告げられたことは、私たちにとっては救いでした。苦しみ嘆く時間は最低限の時間で済みました。その後は、「やれることをやるだけ。」そう思考が切り替わりました。
もちろん、ずっと前向きというわけにはいきませんでした。きこの様子に一喜一憂し、不安は簡単は消えませんでしたが、少なくとも次にやるべきこと「道標」を示してもらえたので、私たちは次の一歩を踏み出すことができました。
この時のドクターには本当に感謝しています。
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